Pythonのおすすめ入門書『みんなのPython第4版』
『みんなのPython第4版』(柴田淳・著)は、Python初心者にとっては入門書、Pythonをある程度書ける人にとってはリファレンスとしてオススメしたい良書。
筆者による以下のサポートページに目次や正誤表、サンプルコードが公開されている。ダウンロードできるサンプルコードはPythonのスクリプトファイル.py
ではなくJupyter Notebook.ipynb
。
以下、良い点と残念な点について。
- 良い点 / こんな人にオススメ
- 残念な点・注意点 / こんな人にはオススメできない
- サンプルコードが筆者の趣味全開
- 12章「Pythonとデータサイエンス」はおまけ程度
- まとめ
なお、Pythonは公式ドキュメントが充実している。書籍で勉強するのに加えて、公式ドキュメントを参照する癖をつけておくといいだろう。
良い点 / こんな人にオススメ
2016年末発売と比較的新しく、Python3.6で追加されたf文字列まで記載されている。
翻訳本にありがちな回りくどい言い回しがなく、簡潔で読みやすい。二色刷りなのも見やすくて好印象。
かなり初歩的なところから丁寧に書かれているので、ほかのプログラミング言語は書けるけどPythonは初めてという人には最適だと思う。
内容は基礎的ながらも網羅的。ジェネレータやデコレータ、高階関数やクラスの継承などにも触れられている。
Python初学者の入門書としてだけでなく、Pythonをある程度書ける人にとっても辞書あるいは参考書(教科書)として手元においておくと便利な本。
残念な点・注意点 / こんな人にはオススメできない
サンプルコードが筆者の趣味全開
サンプルコードが筆者の趣味と思われる戦車やももクロのネタだったりするのが、人によってはマイナスポイント。
Python界隈でよく見かけるspam
, ham
, egg
みたいなモンティ・パイソンネタならまだしも、本質ではない部分に気が取られてしまってちょっと気になった。
せっかくいい本なのにもったいないと思う。
以下のサンプルみたいなのがどうしても肌に合わないという人にはオススメできない。
# 単語の区切りは,アンダースコア(_)を使うか
a_lyric = "結構私うまいことカバーできるかと思ってる"
# 大文字を使います
anotherLiric = "赤裸々に叫べば愛は届く!"
lylic2 = "ずっと笑顔ばかりを選んで"
lylic2 += "泣き顔見せるのを迷ってた"
lylic2 # 複合演算子を使って連結した文字列を確認
12章「Pythonとデータサイエンス」はおまけ程度
最終章(12章)で「Pythonとデータサイエンス」と題してNumPyやmatplotlib、機械学習に触れられているが、あくまでもおまけ程度。
データサイエンスを学びたい、NumPyやmatplotlib、機械学習を習得したいという目的で買う本ではない。
次なるステップアップへのとっかかりとしてはいいと思う。
まとめ
サンプルコードのノリさえ気にならなければとてもいい本。
初心者にとってはPython入門書として最適だし、Pythonをある程度書ける人にとってもリファレンス的な使い方ができる良書だと思う。