Pythonで秒数と分・時間・日数を相互に変換
Pythonで、秒数と分・時間・日数を相互に変換するには、datetimeモジュールのtimedelta型を利用する。
datetimeモジュールの基本的な内容については以下の記事を参照。
本記事のサンプルコードでは、以下のようにdatetimeモジュールをインポートしている。
import datetime
datetime.timedeltaの基本的な使い方
コンストラクタtimedelta()で生成
timedeltaオブジェクトはコンストラクタに日数や時間、秒数などを指定して生成する。
指定できる引数はweeks, days, hours, minutes, seconds, milliseconds（ミリ秒）, microseconds（マイクロ秒）。省略すると0となる。月と年は日数が固定ではないので指定できない。
td = datetime.timedelta(weeks=1, days=1, hours=1, minutes=1,
seconds=1, milliseconds=1, microseconds=1)
print(td)
# 8 days, 1:01:01.001001
print(type(td))
# <class 'datetime.timedelta'>
それぞれの引数は浮動小数点数floatやマイナスの値でもよい。hoursに24以上の値を指定したり、minutesやsecondsに60以上の値を指定しても正しく換算される。
以下の例では0.5日（=12時間）と-6時間と120分（=2時間）が合計されて8時間という結果になっている。
print(datetime.timedelta(days=0.5, hours=-6, minutes=120))
# 8:00:00
なお、timedeltaオブジェクトはdatetimeオブジェクトやdateオブジェクトの引き算でも生成される。
days, seconds, microseconds属性
timedeltaオブジェクトが内部に保持しているのは日数、秒数、マイクロ秒数のみ。それぞれdays, seconds, microseconds属性でアクセスできる。すべて整数int。
td = datetime.timedelta(weeks=1, days=1, hours=1, minutes=1,
seconds=1, milliseconds=1, microseconds=1)
print(td)
# 8 days, 1:01:01.001001
print(td.days)
print(type(td.days))
# 8
# <class 'int'>
print(td.seconds)
print(type(td.seconds))
# 3661
# <class 'int'>
print(td.microseconds)
print(type(td.microseconds))
# 1001
# <class 'int'>
秒数を分・時間などに変換する方法については後述。
total_seconds()メソッド
total_seconds()メソッドはトータル時間を秒数で返す。返り値は浮動小数点数float。
td = datetime.timedelta(weeks=1, days=1, hours=1, minutes=1,
seconds=1, milliseconds=1, microseconds=1)
print(td)
# 8 days, 1:01:01.001001
print(td.total_seconds())
# 694861.001001
print(type(td.total_seconds()))
# <class 'float'>
文字列に変換
これまでの例にもあるように、timedeltaオブジェクトをprint()で出力すると8 days, 1:01:01.001001のように日数と時間・分・秒・マイクロ秒が表示される。timedeltaオブジェクトをstr()で文字列に変換すると、同様の文字列が得られる。
td = datetime.timedelta(weeks=1, days=1, hours=1, minutes=1,
seconds=1, milliseconds=1, microseconds=1)
print(td)
# 8 days, 1:01:01.001001
s = str(td)
print(s)
# 8 days, 1:01:01.001001
print(type(s))
# <class 'str'>
分・時間・日数などを秒数に変換
分・時間・日数などから秒数を算出するには、コンストラクタでtimedeltaオブジェクトを生成してからtotal_seconds()メソッドを使うのが簡単。上述のようにfloatが返される。
td = datetime.timedelta(days=1, hours=1, milliseconds=100)
sec = td.total_seconds()
print(sec)
# 90000.1
print(type(sec))
# <class 'float'>
続けて書いてもよい。
sec = datetime.timedelta(days=1, hours=1, milliseconds=100).total_seconds()
print(sec)
# 90000.1
秒数を分・時間・日数などに変換
秒数を分・時間・日数などを使って表したい場合も、一旦timedeltaオブジェクトに変換すると簡単。
timedeltaのコンストラクタの引数secondsに秒数を指定する。浮動小数点数floatでも指定可能。print()での出力結果を文字列として取得するだけであれば、str()で変換すればよい。
td = datetime.timedelta(seconds=123456.789)
print(td)
# 1 day, 10:17:36.789000
s = str(td)
print(s)
# 1 day, 10:17:36.789000
print(type(s))
# <class 'str'>
上述のように、timedeltaオブジェクトの属性として得られるのはdays, seconds, microsecondsのみ。
print(td.days)
# 1
print(td.seconds)
# 37056
print(td.microseconds)
# 789000
秒数を分・時間および残りの秒数に変換するには、以下のような関数が考えられる。
def get_h_m_s(sec):
m, s = divmod(sec, 60)
h, m = divmod(m, 60)
return h, m, s
timedelta型の__str__()を参考にした。
divmod()については以下の記事を参照。
返り値はタプル。アンパックしてそれぞれの変数に格納できる。
- 関連記事: Pythonの関数で複数の戻り値を返す方法
print(get_h_m_s(td.seconds))
# (10, 17, 36)
print(type(get_h_m_s(td.seconds)))
# <class 'tuple'>
h, m, s = get_h_m_s(td.seconds)
print(h)
# 10
print(m)
# 17
print(s)
# 36
秒数を日・時間・分・秒・マイクロ秒に変換するには、以下のような関数が考えられる。上の関数と同じく、返り値はタプル。
def get_d_h_m_s_us(sec):
td = datetime.timedelta(seconds=sec)
m, s = divmod(td.seconds, 60)
h, m = divmod(m, 60)
return td.days, h, m, s, td.microseconds
print(get_d_h_m_s_us(123456.789))
# (1, 10, 17, 36, 789000)
print(get_d_h_m_s_us(123.456789))
# (0, 0, 2, 3, 456789)
負の秒数の場合
負の秒数の場合は注意が必要。
トータルの秒数が負のtimedeltaオブジェクトは、以下のように日数daysが負で秒数secondsとマイクロ秒数microsecondsが正になる。
td_m = datetime.timedelta(seconds=-123456.789)
print(td_m)
# -2 days, 13:42:23.211000
print(td_m.days)
# -2
print(td_m.seconds)
# 49343
print(td_m.microseconds)
# 211000
print(td_m.total_seconds())
# -123456.789
上で定義した関数もそれに準じた値を返す。
print(get_d_h_m_s_us(-123456.789))
# (-2, 13, 42, 23, 211000)
絶対値を算出する組み込み関数abs()はtimedeltaオブジェクトに対しても有効なので、期間（幅）として換算したい場合はabs()を使えばよい。
print(abs(td_m))
# 1 day, 10:17:36.789000
print(get_d_h_m_s_us(abs(-123456.789)))
# (1, 10, 17, 36, 789000)