Pythonでリスト(配列)に要素を追加するappend, extend, insert
Pythonでlist
型のリスト(配列)に要素を追加したり別のリストを結合したりするには、リストのメソッドappend()
, extend()
, insert()
を使う。そのほか、+
演算子やスライスで位置を指定して代入する方法もある。
- 末尾に要素を追加:
append()
- 末尾に別のリストやタプルを結合(連結):
extend()
,+
演算子 - 指定位置に要素を追加(挿入):
insert()
- 指定位置に別のリストやタプルを追加(挿入): スライスを使う
なお、リストは異なる型のデータを格納可能で、厳密には配列とは異なる。メモリサイズやメモリアドレスを必要とするような処理や大規模なデータの数値計算処理などで配列を扱いたい場合はarray(標準ライブラリ)やNumPyを使う。
末尾に要素を追加: append()
リストのメソッドappend()
で、末尾(最後)に要素を追加できる。先頭など、末尾以外の位置に追加したい場合は後述のinsert()
を使う。
l = list(range(3))
print(l)
# [0, 1, 2]
l.append(100)
print(l)
# [0, 1, 2, 100]
l.append('new')
print(l)
# [0, 1, 2, 100, 'new']
リストもひとつの要素として追加される。結合はされない。
l.append([3, 4, 5])
print(l)
# [0, 1, 2, 100, 'new', [3, 4, 5]]
末尾に別のリストやタプルを結合(連結): extend()
リストのメソッドextend()
で、末尾(最後)に別のリストやタプルを結合できる。すべての要素が元のリストの末尾に追加される。
l = list(range(3))
print(l)
# [0, 1, 2]
l.extend([100, 101, 102])
print(l)
# [0, 1, 2, 100, 101, 102]
l.extend((-1, -2, -3))
print(l)
# [0, 1, 2, 100, 101, 102, -1, -2, -3]
文字列は各文字(要素)が一文字ずつ追加されるので注意。
l.extend('new')
print(l)
# [0, 1, 2, 100, 101, 102, -1, -2, -3, 'n', 'e', 'w']
extend()
メソッドではなく+
演算子を使っても連結することが可能。
+
演算子の場合は新たなリストが返される。+=
で既存のリストに追加することもできる。
l2 = l + [5, 6, 7]
print(l2)
# [0, 1, 2, 100, 101, 102, -1, -2, -3, 'n', 'e', 'w', 5, 6, 7]
l += [5, 6, 7]
print(l)
# [0, 1, 2, 100, 101, 102, -1, -2, -3, 'n', 'e', 'w', 5, 6, 7]
指定位置に要素を追加(挿入): insert()
リストのメソッドinsert()
で、指定した位置に要素を追加(挿入)できる。
第一引数に位置、第二引数に挿入する要素を指定する。先頭(最初)は0
。負の値の場合、-1
が末尾(最後)の一つ前となる。
l = list(range(3))
print(l)
# [0, 1, 2]
l.insert(0, 100)
print(l)
# [100, 0, 1, 2]
l.insert(-1, 200)
print(l)
# [100, 0, 1, 200, 2]
append()
と同じく、リストもひとつの要素として追加される。結合はされない。
l.insert(0, [-1, -2, -3])
print(l)
# [[-1, -2, -3], 100, 0, 1, 200, 2]
なお、insert()
はO(n)
のコストを必要とし、効率的な操作ではない。リストの各種操作に対する計算量は公式のWikiの以下のページを参照。
先頭への要素の追加をO(1)
で行う型として標準ライブラリcollectionsモジュールにdeque
型が用意されている。例えばデータをキュー(queue, FIFO)として扱いたい場合はdeque
を使うほうが効率的。
指定位置に別のリストやタプルを追加(挿入): スライスを使う
スライスで範囲を指定して別のリストやタプルを代入すると、すべての要素が追加(挿入)される。
l = list(range(3))
print(l)
# [0, 1, 2]
l[1:1] = [100, 200, 300]
print(l)
# [0, 100, 200, 300, 1, 2]
元の要素を置換することもできる。指定した範囲の要素がすべて置き換えられる。
l = list(range(3))
print(l)
# [0, 1, 2]
l[1:2] = [100, 200, 300]
print(l)
# [0, 100, 200, 300, 2]